調べ学習の型を教えなければ、調べ学習はできるようにはならない。

 

「では、~について調べなさい。」で、できるわけがない。

 

たとえば、警察について調べるとしよう。

警察について調べます。「警察について調べる」とノートに書きなさい。

赤囲みしなさい。

教科書56ページを開けて、警察の仕事について書いていることをみつけます。

「~~をする仕事」と一つ書きなさい。

Aくん、発表して。(交通の安全をまもる仕事です。)

いいですね。みんなも書きなさい。

A君、56ページの何行目に書いていますか。(56ページの9行です。)

「交通の安全を守る仕事」の下に「教56p、9行目」と書きなさい。みんなも書きなさい。

 このようにして、証拠を見つけることが大事です。

「~~をする仕事」その下にページ数と行数を書いていきます。

箇条書きをしていきなさい。

 

 同様に資料集からも同じような型で書かせる。ここまで二時間でいける。

 

 調べ学習はこのように型を教えることによって、子どもたちはできるようになる。

 

 

1 調べる型を示す

 

①まずは、教科書、資料からはじめる。

~調べ学習ステップ1 (4~5月)

 ①教科書から根拠を示せる。

  「教○p、○行目あるいは、教○p、上。」(みつけられない場合は、「資料なし」と書かせる。)

 

 ②手持ちの資料集(全員に支給されているもの)から根拠を示せる。

  「資料○p、○行目」

 

 

②辞書、図書室の資料から調べる。

~調べ学習ステップ2 (5~7月)

 

 ③辞書から根拠を示せる。

  「辞○p、上

 

 ④図書室の中の資料を探し当て、根拠を示せる。

  1、「班でその資料のある場所をみつけます。みつけたらその資料をもってきなさい。

  2、「資料「~~~」○p、下」(上、中、下というのはそのページの上らへん、まん中らへん、下らへんということだ。)

 

 ⑤百科事典の中から資料を探し当て、根拠を示せる。

  「百科○p、中」

 

③ インターネット資料からしらべる

~調べ学習ステップ3 (7月以降)

 

 ⑥提示したインターネット資料から根拠を示せる。(はじめはHP資料を限定する)

   「HP「~~~」より」

 

 ⑦インターネット資料から情報を手に入れ、根拠を示せる。

   

 

※インターネット資料はあてにならないものも多い。どこのHPが正しいのかを指導する必要がある。

※基本は、本、資料集、辞書、百科事典で十分な指導が行える。

 

 

2 課題を与える

 

賛成か反対かの課題を与えることによって

調べる動機づけをする

ただ、調べることを箇条書きしなさいより、課題を与え、自分の考えにもとづく資料を探すほうがより熱中をして行う。基本的には、はじめの一、二回、調べ方の型を教えたら、以下のような指導をすると子どもは熱中してしらべる。

 

~~という課題について考える。

私は賛成(反対)である。

なぜなら、

教科書の○ページをみると、~~~~~とかいている。

ここから、賛成と考えた。

また、資料集のページ○に~~~~とかいている。

ここからもこの意見が正しいことがわかる。

                       (ここまで一時間目)

さらに、図書室にいって、資料を探してみた。

すると~~~という本に~~~~~~と書いていた。

ここからもこの意見が正しいとわかる。

                       (ここまで二時間目)

さらに、インターネットで調べる。

~~~~というHPに~~~~~~と書いていた。

                       (ここまで三時間目)

ここからもこの意見は正しい。

以上の4点の理由から、私は賛成と考える。

 

ここで意見が正しいのかどうかを討論した。

~~君の意見に~~というような 意見があった。

しかし、これは違うと思う。

なぜなら~~だからである。

まだある。~~さんの ~~という意見だ。

これも違う。

なぜなら~~だからだ。

                       (ここまで四時間目)

討論をした結果、私の意見は最終的に

賛成となった。はじめと変わらなかった。

最大の理由は以下である。

~~~だからである。

                       (ここまでで五時間目)

 

書き方の型を示し、書かせると次回から調べ学習の書き方がわかってくる。

「~」のところは子どもたちが考えるが、

ほかの言葉は教師が板書をしてあげ。「~~」の部分だけ、自分で考えさせて書かせるようにする。このように調べ学習したことをアウトプットする作文の型を教える。

このような授業は社会だけでなく、国語でもできる。理科でも多少は扱える。

同じような指導を三回ぐらいすれば、たいていの子どもはこの書き方を使いこなせるようになり、三学期にはほぼ手放しで調べ学習を進められるようになる。

 

 

3 作文量をほめる

 

 とにかく、たくさん書いた子をほめる。

教師は「たくさん調べているねえ。えらいねえ。」と、とにかくほめるようにする。

ここで大事なことは

はじめのうちは特に量をほめるということだ。

質は二学期以降でいい。型がきちんと入ってからでいい。

作文指導でもそうだが、最初は量から入りそして、質になる。

 

調べ学習は長期的に少しずつ力をつけるようにしていけばいい。

まずは、意見をたくさんとりだし、自分の意見が正しいことを証明させるようにする。多少、文が乱れていてもいい。

とにかく、ある程度の型を教える。調べ学習はこうすればいいという型を教えることが大事である。分析批評の評論分指導も同様だと考える。

 

課題に対して、たくさん理由を見つけた子をほめる。あっているとかは関係ない。とにかく、一生懸命やっていることをほめる。(はじめのうちは。)

討論などをしてほかの人の意見を聞いて、違うなと思えば、修正させるからはじめのうちは間違えていていいのだ。

しばらしくして、以下のようにいう。

友達の意見をきいて、違うなあと思ったら、作文の途中で、「~~君の意見を聞いて、意見が変わった。~~と変わった。なぜなら、~~という意見が正しいと思ったからだ。」というように書いたらいいからね。と指導をする。

 そのことが書けていたら、またほめていく。これは、討論の指導にかぶるが、これがかけるようになると、その調べたことに対して深く考えられている証明となる。

 

 型を教え、課題を与え、とにかくたくさん作文を書かせていくようにすると調べ学習の力が格段に上がっていく。1、2学期はこのようにして調べ学習の基礎体力をつけることが大事である。